陸上自衛隊の戦術教範や普通科部隊の行動指針において、部隊の行進警戒は厳格に規定されています。本隊が道路沿いに前進する場合、地形の起伏や交差する側道、森林地帯など、敵が潜伏・接近しやすい地形(接近経路)が存在します。側衛隊はこうした危険地域を先回りして制圧・監視します。
実戦における側衛の具体的任務は多岐にわたります。第一に、本隊と平行して移動しながら危険な高地や交差点を確保する「並行側衛」。第二に、特定の要所に留まって本隊の通過を見届ける「定置側衛(不動側衛)」です。部隊規模に応じて「側衛小隊」や側衛中隊が編成され、偵察警戒車、軽装甲機動車、対戦車火器などを装備した高い機動力と火力を備えた部隊が充てられます。
側衛の真の目的は、敵を単独で全滅させることではありません。敵と接触した際、即座に通報を行いつつ粘り強く遅滞戦闘を行い、「本隊指揮官が状況を判断し、主力を適切な戦闘陣形へと展開させるための時間的・空間的猶予を確保すること」にあります。側衛が機能しなければ、本隊は行進隊形のまま側面から一撃を受け、壊滅的な打撃を被ることになります。