人間の身体は感染症にかかると、脳の視床下部が設定温度を引き上げることで発熱を引き起こす。免疫細胞を活性化させるための生体防御反応だ。この局面において、自律神経系による体温調節はフル稼働の負荷がかかっている。
ここで問題となるのが「長風呂」だ。高い湯温に長時間浸かると、本来なら汗や血管拡張によって外部へ逃がすべき熱が体内にこもり、人工的な高熱状態を作り出してしまう。その結果、急激な血圧低下や強い倦怠感を引き起こし、重度の脱水症状へ陥るリスクが跳ね上がる。湯船につかる時間が体力を削り取る刃へと変わる瞬間だ。