採用コンサルティング企業や就活情報大手の調査によると、複数内定を保有する学生が増加した結果、民間企業の内定辞退率は約60〜65%に達しています。企業が多大な採用コストを投じて獲得した優秀層をつなぎ止めるため、内定通知から10月の内定式、さらには入社直前の3月にかけて複数回の内定者懇親会をセットするケースが定着しました。
公式発表やリクルーティングの現場レポートを分析すると、企業が懇親会を開催する目的は主に以下の3点に集約されます。
第1に、「同期同士の横のつながり」の醸成です。人間関係の希薄さは内定辞退の大きなトリガーになります。「この会社に行けば心強い同期がいる」という心理的安全性を早期に与えることで、他社への流出を防ぐ心理的防壁を築く狙いがあります。
第2に、「先輩社員との対話を通じた入社後イメージの具体化」です。選考中は面接官という評価者としてしか接点を持てなかった社員と、ざっくばらんな質疑応答を交わすことで、業務内容への不安や組織風土へのギャップを埋める機会を提供しています。
第3に、企業側による「配属検討のためのパーソナリティ把握」です。面接のような合否判定ではなく、内定者のコミュニケーション傾向、集団内での立ち位置、関心領域などを観察し、入社後の初期配属や研修チーム分けの参考データとして蓄積する側面があります。