九蛇の民には「かつて怪物を倒した際に呪いを受け、背中にゴルゴンの目が宿った。それを見た者は石になってしまう」と説明されていました。しかし、これは民を欺くための痛切な嘘でした。
実際に背中に焼き付けられていたのは、世界貴族(天竜人)の所有物であることを示す「天駆ける竜の蹄」の紋章でした。ハンコックが12歳の頃、妹たちと共に人買いに捕まり、天竜人に売り飛ばされて4年間もの間、人間以下の地獄のような拷問と屈辱を味わわされた消えない傷痕だったのです。
16歳の時、魚人族の英雄フィッシャー・タイガーが単身で聖地マリージョアに乗り込み、奴隷たちを無差別に解放したことで脱出に成功。その後、元女帝であるニョン婆(グロリオーサ)やレイリー、シャッキーに保護されて女ヶ島へ帰還しました。自らの弱さや過去の屈辱を知られれば国を追われるという恐怖から、ハンコックは他者を威圧する冷酷な仮面を被り続けていたのです。