医療現場の看護師や実際のPD患者の手記、SNS上のコミュニティにおける生の声からは、教科書的な解説だけでは見えてこないリアルな日常が浮かび上がります。
都内のIT企業でフルタイム勤務を続ける40代男性は、自身の闘病ブログで次のように述べています。
「導入前は『お腹に管が入る』という事実に絶望感しかありませんでした。しかしAPDを選択したことで、日中は透析のことを一切考えずに客先へ出向くことができています。同僚にもほとんど病気を意識させていません。一番驚いたのは、週3回クリニックへ通う血液透析の知人に比べて、週末の疲労感が格段に少なく、家族と旅行へ行ける体力が残っていることです」
一方で、患者会や知恵袋などで吐露される「想定外の苦労」として最も多く挙げられるのが「透析液段ボールの保管スペース問題」です。1ヶ月分の透析液バッグは段ボール箱で15〜20箱前後の体積になり、部屋の片隅やクローゼットが透析液で埋まるという住宅環境の課題があります。配送スケジュールを月2回に分割指定するなど、住環境に合わせた工夫が必須となります。