ランニング中に発生する衝撃は、体重のおよそ3倍から5倍に達します。人間の足には本来、骨と腱で構成された「内側縦アーチ(土踏まず)」が存在し、着地時にアーチが適度にしなることで衝撃を分散・吸収する仕組みが備わっています。しかし、扁平足の場合はこのアーチが沈み込んだまま戻りにくく、衝撃が足裏の足底腱膜やアキレス腱、膝関節へとダイレクトに伝達してしまいます。
さらに深刻なのが「オーバープロネーション(過剰回内)」と呼ばれる動作エラーです。土踏まずの支えが弱い足型では、着地から蹴り出しの瞬間に足首が内側へぐにゃりと過剰に倒れ込みます。この倒れ込みに連動してすねの骨(脛骨)が内回旋を起こし、結果として膝関節の内側に強いねじれストレスが加わります。ランナー膝(鵞足炎・腸脛靭帯炎)やすねの痛み(シンスプリント)、足底腱膜炎といった足裏の痛み原因と対策を考える上で、この倒れ込みの制御は避けて通れない最重要課題です。