ネット上の掲示板やレビュー欄で定期的に話題となる「ニトリのポップアップテントは現場で二度と畳めなくなる」という説。週末の芝生広場で、真っ赤な顔をしてテントと格闘する保護者の姿を目撃した経験がある方も少なくないはずです。編集部が現場の利用者や取扱説明書の構造データを検証した結果、この現象には明確な力学的理由が存在することが判明しました。
そもそも、袋から取り出すだけで一瞬にして立ち上がるポップアップテントは、内部に仕込まれた平形スチールワイヤーの「元の形に戻ろうとする反発力(弾性)」を利用して自立しています。設営時はワイヤーのロックを解くだけで瞬時に展開しますが、収納時にはその弾性に逆らってワイヤーをねじり、直径数十センチの三重・四重の円へと収束させなければなりません。
多くのユーザーが撤収で挫折する「たためない理由」は、力加減の問題ではなくワイヤーの折れ曲がる方向を無視して力任せに押し潰そうとする点にあります。正しい収納手順は極めてシンプルです。
まず、左右のフレームを本を閉じるように合わせ、テント全体を平らな2等辺三角形に近い形状にします。次に、頂点部分を足元側(底面中央)に向けてグッと内側に折り込みます。このとき、左右に自然と2つの輪が形成されるため、その左右の輪をクロスさせるように内側へ引き込みながら重ね合わせる「8の字ねじり」を行います。この「頂点を中央に落とし込んで自然なテンションを作る」という初期動作さえマスターすれば、成人であれば腕力に関係なく、わずか数十秒で円形ケースへ収めることができます。つまり、「畳めない」のではなく「ワイヤーの逃げ道を作っていない」ことがトラブルの本質です。