サンダルでの車の運転が取り締まり対象となる根拠は、単一の全国一律条文だけではありません。法律の枠組みとしては、主に道路交通法第70条(安全運転の義務)と、道路交通法第71条第6号(公安委員会遵守事項違反)の2段階で構成されています。
まず道路交通法第70条では、「車両等の運転者は、ハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と規定されています。ペダルを踏み込む際に足が滑ったり、脱げた履物がブレーキペダルの裏側に挟まったりして操作不能に陥る状態は、この安全運転義務違反に直結します。
さらに各都道府県の公安委員会が定めている「道路交通規則」において、より具体的な履物の基準が定められています。例えば東京都道路交通規則第8条第2号では、「木製サンダル、げた等運転操作を妨げるおそれがある履物を履いて、自動車又は原動機付自転車を運転しないこと」と明記されています。条文上の表現は「サンダル」と一括りにされていても、現場での違法性の判断は「運転操作を確実に、かつ迅速に行える状態にあるか」という機能面に基づいています。
警察庁関係者の取材や現場の指導実態によると、反則金の区分は適用条文によって分かれます。公安委員会遵守事項違反(道交法第71条第6号)が適用された場合、違反点数は付加されないものの、反則金として普通車で6,000円(二輪車5,000円・大型車7,000円)が科されます。一方、実際の操作ミスや危険走行を伴って安全運転義務違反(道交法第70条)と判断された場合は、違反点数2点に加え、普通車で9,000円の反則金が科される厳しい処分が下されます。