爪の横のささくれや、硬くなった指先の皮膚を無心で引きちぎってしまう。専門的には「皮膚むしり症(エキスコリエーション障害)」と呼ばれ、精神疾患の国際的な診断基準であるDSM-5にも独立した疾患として記載されている強迫症関連障害の一種だ。
「意志が弱いからやめられないのだ」という自己批判は、完全な誤解である。問題の根底にあるのは意志の強弱ではなく、脳の神経回路がストレス回避の手段として「皮をむく」という動作を強烈に誤学習してしまっている点にある。皮の引っかかりや微小な凹凸を「失くしたい、滑らかにしたい」という強い衝動が脳内で生成され、理性のコントロールを容易に飛び越えてしまうのだ。