映画『バトル・ロワイアル』やNHK大河ドラマ『新選組!』で見せた存在感あふれる演技は、かつて山本太郎が芸能界で築き上げた確固たるキャリアの象徴である。俳優として順風満帆な道を歩んでいた彼が、なぜすべてを投げ打って政治の泥沼へと飛び込んだのか。その影には、昭和の名優・菅原文太という絶対的な存在があった。
福島第一原発事故をきっかけに反原発運動へ足を踏み入れた際、芸能事務所からの離脱や収入の激減という厳しい現実に直面した。そのとき、実の父親のように温かく、かつ厳しく彼を鼓舞し続けたのが菅原だった。「政治家になれ」という遺志のような言葉を受け取った男は、役者としての地位を捨て、政界へと出馬する腹をくくった。彼の私生活や家族に対する考え方もまた、この決断によって決定的な変化を余儀なくされたのである。