渡辺正行が結婚を発表したのは1999年のこと。当時43歳だった彼が人生の伴侶として選んだのは、18歳年下の一般女性だった。かつて「独身貴族」を謳歌し、バラエティ番組でも軽妙なプレイボーイキャラを演じることが多かったリーダーの電撃婚は、世間を大いに驚かせた。
二人の馴れ初めは知人の紹介による食事の席だったとされる。年の差を感じさせないフランクな会話と、彼女の落ち着いた人柄に渡辺が惹かれ、静かに交際がスタートした。芸能界の第一線で生きる彼にとって、家庭に持ち込まれる「普通であること」の安心感は何物にも代えがたい救いだったに違いない。妻が一般人であることに配慮し、メディアへの顔出しや露出は徹底して控えてきた。その静かな配慮こそが、彼なりの最大の誠実さだった。
結婚から四半世紀以上が過ぎた現在も、二人の絆は揺るがない。誕生した長女も成人を迎え、夫婦水入らずの穏やかな日常が戻っている。劇場の主宰や剣道の稽古で多忙を極める夫を、妻は出しゃばることなく陰から支え続けてきた。「家庭では奥さんにまったく頭が上がらない」と渡辺が苦笑い混じりにこぼす言葉の裏には、深い敬意と感謝が宿っている。