直木賞作家・江國香織によるベストセラー小説を実写化した映画『東京タワー』。源孝志監督がメガホンを取った本作において、松本潤に託されたのは主人公・小島透(岡田准一)の親友である大原耕二(おおはら こうじ)という難役でした。
劇中の耕二は、高級ブティックのオーナーである浅野詩史(黒木瞳)に一途な想いを寄せる透とは対照的に、人妻を弄ぶ軽薄なプレイボーイとして登場します。しかし、平凡な主婦・川野喜美子(寺島しのぶ)と情事を重ねるうちに、彼女の激しい執着と狂気的な愛に巻き込まれ、次第に精神的にも肉体的にも追い詰められていきます。
当時の松本潤は21歳。嵐の一員として『ごくせん』や『花より男子』(同年秋放送)などで若年層を中心に絶大な支持を集めていた最中でした。あえてリスクの高い過激な愛欲劇を選び、若さ特有の傲慢さと脆さを剥き出しにした演技は、映画評論家や業界関係者からも「アイドルの枠を超えた本格派俳優への転換点」として極めて高い評価を獲得しました。