渡辺謙の名を世界へ知らしめた爆発的契機といえば、やはり2003年公開の映画『ラスト サムライ』だ。侍の誇りと時代の波に揺れる勝元役を魂の熱演で体現し、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされる大快挙を成し遂げた。異国の地に単身乗り込み、言葉の壁を乗り越えて見せたスクリーンでの威厳は、世界中の映画ファンとクリエイターに強い衝撃を与えた。
その後もトップランナーとしての進撃は止まらない。クリストファー・ノーラン監督と組んだSF超大作『インセプション』では、レオナルド・ディカプリオ演じる主人公らを翻弄する実業家サイトウ役を怪演。ワーナー・ブラザース制作のメガヒット作で主要キャストを張り、ハリウッド映画界において「単なる東洋人枠」ではなく「作品を牽引するトップ俳優」として認められる存在であることを証明してみせた。