国語教育の現場指導者や学習塾のアンケート調査によると、小学生から中学生が漢字テストで失点する主要原因の上位に「音読みと訓読みの混同」が挙げられています。「本(ほん)」を訓読みだと誤認したり、「絵(え)」を音読みだと気づかなかったりするトラブルは日常茶飯事です。
大人のビジネスシーンにおいても、送り仮名のルールを巡る混乱が見られます。内閣告示の「送り仮名の付け方」では、「行なう」と「行う」、「現われる」と「現れる」のように、本則と許容が混在しており、公用文や企業の用字用語規程において統一基準の徹底が求められる場面が多々生じています。
「単体で使う言葉は訓読み、熟語は音読み」という大雑把な思い込みが、次項で解説する「熟字訓」や「重箱読み・湯桶読み」に直面した際のつまずきの原因となっています。