インターネット上のDIYブログ等で頻繁に目にする言説の中に、「メニュー表は全員同じものを印刷して卓上に置いておけば問題ない」というものがあります。しかし、これは現代のホスピタリティ基準においては危険な誤解です。
近年、食物アレルギーやマタニティ対応、ヴィーガン・ハラールなどの宗教的食事制限を持つゲストの割合は増加傾向にあります。一般的な一括印刷のメニュー表をそのまま全員に配ると、配慮が必要なゲストに対して「本当にこの料理は自分のアレルギーに対応しているのか?」という強い精神的ストレスを与えてしまいます。上級の配慮としては、「アレルギー対応ゲスト専用の個別メニュー表」を数部だけ差し替えて印刷・セットするのが現代のプロフェッショナルな対応です。
また、「スマホでQRコードを読み取ってもらうデジタルメニュー表にすれば印刷代ゼロで完璧」というライフハックも一部で推奨されています。しかし、年配親族やスマートフォンの操作に不慣れな参列者にとっては不親切極まりなく、披露宴中に全員がスマートフォンを下向きに操作する異様な光景を生み出すことになります。格式と温かみを重んじる披露宴において、紙のメニュー表が持つ情緒的価値を軽視することは避けるべきです。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
行動心理学や消費行動の観点から見ると、自作作業には「自分で作ったものに過剰な愛着と価値を感じてしまう(イケア効果)」というバイアスが働きます。自己満足に陥り、ゲストへの配慮や自身の時間的リソースを犠牲にしないためにも、以下の基準で自作か外注かを冷静に判断してください。
【メニュー表の手作りを強くおすすめできる人】
- 結婚式のテーマカラーや世界観を細部までミリ単位で統一したい人
- CanvaやPhotoshopなどのツール操作に抵抗がなく、文字校正を苦にしない人
- 挙式1〜2週間前の直前時期に、まとまった作業時間を確保できるスケジュール的余裕がある人
- 数万円の予算浮遊分を、料理や装花のグレードアップなどゲストへの直接還元に充てたい人
【式場発注または完成品外注に留めるべき人(おすすめできない人)】
- 仕事や引越しが重なり、挙式直前の睡眠時間や精神的ゆとりを削られたくない人
- 伝統的な格式を最重要視する名門ホテルや由緒ある神社・料亭で挙式する人(式場専用の家紋入りフォリオ等が推奨される場合)
- 誤字脱字のチェックやプリンターの給紙トラブルに対して強いストレスを感じやすい人