複数本のボルトを一括交換する場合や、ダブルナットを掛けるだけのネジ山の長さが残っていない場合には、専用工具であるスタッドボルトプーラー(リムーバー)の導入が作業効率を飛躍的に高めます。
スタッドボルトリムーバーには、主に以下の2つのタイプが存在します。
① 3点ローラーロック式(ソケット型)
ソケットの内部に3つの精密ローラーが組み込まれており、ラチェットハンドルで回転させるとローラーが内側へ狭まりながらボルト外周を均等に締め上げてロックします。ネジ山への攻撃性が比較的低く、ボルトの再利用を視野に入れている場合や、確実なトルク伝達を行いたい整備現場で重宝されます。コーケン(Ko-ken)製のリムーバーソケットは精度と耐久性に定評があり、プロメカニックの間でも定番の逸品です。
② カム式・偏心ホイール式
偏心したギザギザのカムホイールがボルト側面に食い込み、回転力に応じて自動的に締め付け力を増大させるタイプです。ネジ山が潰れてナメてしまったスタッドボルトでも強力にホールドして回せる強みがありますが、ボルト表面に深い傷が付くため、取り外したボルトを廃棄して新品に交換する前提で使用します。
狭小スペースでの作業が多いバイク整備などでは全長の短いソケットタイプ、スペースに余裕があり固着が激しい自動車の下回り作業ではロングハンドルが使える頑丈なカム式プーラーを選ぶのがおすすめです。