本作を社会現象にまで引き上げた最大の要因は、チソンとヨム・ジョンアという演技派俳優ふたりによる圧巻の化学反応だ。チソンが演じたハン・ジフンは、少年の頃にインスクに救われ、彼女のために人生を捧げる孤高の検事。冷徹な知性と、インスクに向ける無償の愛の狭間で葛藤する姿を、眼差し一つで表現してみせた。
対するヨム・ジョンアは、惨めな虐げられた妻から、財閥の頂点へと上り詰める復讐の鬼へと変貌を遂げるキム・インスクを狂気交じりに表現。さらに、重厚な演技でドラマ全体を引き締めた大女優キム・ヨンエの凄まじい存在感も忘れてはならない。三者が繰り広げた息をのむ心理戦は、単なる愛憎劇を超えた極上のエンタメ体験として、視聴者の記憶に焼き付いている。