三翠園を語る上で欠かせないのが、幕末の英傑として知られる土佐藩第15代藩主・山内容堂(豊信)との深い結びつきです。宿の立つ敷地は、かつて山内家の下屋敷が置かれていた由緒ある場所。敷地入口に今なお威風堂々と構える重要文化財「山内家下屋敷長屋」は、1979年に国の重要文化財に指定された江戸時代末期の本格的な武家建築であり、訪れる者を幕末の息吹へと誘います。
「三翠園」という屋号は、緑豊かな山、澄み切った鏡川の水、そして晴れ渡る空という土佐の美しい自然(三つの翠)に由来しています。館内には山内容堂公ゆかりの資料や史跡が点在し、歴史ファンにとっては「泊まれる歴史博物館」ともいえる価値を持っています。単なる利便性や新しさだけを追求する現代のシティホテルとは一線を画す、圧倒的な風格がこの宿の屋台骨となっています。