朝ドラ『とと姉ちゃん』は実話をベースにしながらも、フィクションとして大胆にアレンジされた設定が数多く存在します。その代表例が、坂口健太郎演じる植物学者・星野武蔵との淡い恋愛劇です。
帝大生時代の星野と出会い、お互いに好意を寄せながらも戦争や家を支える責任によってすれ違い、時を経て再会する切ないエピソードは視聴者の胸を締め付けました。しかし、史実における大橋鎭子は生涯独身を貫いており、特定の男性との劇的なロマンスが公に記録されているわけではありません。
また、大橋家の三姉妹は実際には非常に仲が良く、生涯にわたって共同生活を送りながら『暮しの手帖社』の経営を支え合いました。ドラマでは視聴者が感情移入しやすいよう、次女・鞠子の結婚や三女・美子の自立といった家庭内のドラマチックな対立や葛藤が効果的に加えられています。