「つけている方が涼しい」という現象は、決して錯覚ではない。繊維の接触冷感性能を客観的に測定する指標として使われるのが、最大熱吸収速度を示す「q-max(キューマックス)値」だ。公的検査機関である一般財団法人カケンテストセンターなどの厳しい評価において、一般的な基準値0.2W/㎠を超える0.3〜0.4W/㎠以上の数値を叩き出す高性能モデルが続々と登場している。
しかし、直射日光の下でひんやり感を長時間持続させる鍵は、単なる冷感値ではなく「遮熱性能」にある。太陽光に含まれる赤外線(熱線)を反射する特殊な金属酸化物やセラミック微粒子を繊維内部に配合することで、布地の表面温度上昇を遮断。外気の熱をシャットアウトしつつ、内側の体温をスムーズに外へ逃がすダブル構造こそが、猛暑の屋外でも冷涼感を維持できる科学的根拠なのだ。
実験データによれば、適切な遮熱処理が施された生地は、未処理の生地と比較して衣服内温度を最大5度以上も低く保つことが証明されている。生地を通過して肌に届く熱量を極限まで抑え込むことで、長時間の外出でも不快な熱ごもりが発生しない仕組みが完成した。