名作の数々を巡っては、インターネット特有の言説や誇張によって、いくつかの誤解が固定観念として語られるケースが散見されます。鑑賞の目を曇らせないためにも、代表的な3つの誤解を是正しておく必要があります。
第1の誤解は、「『オトナ帝国』以降、シリーズは大人受けばかりを狙ってギャグを軽視するようになった」という論調です。これは明確に事実と異なります。オトナ帝国の翌年に公開された『アッパレ!戦国大合戦』の後、制作陣は原点回帰として『嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』(2003年)を投下しました。理屈をねじ伏せる怒涛の疾走ギャグと熱血活劇でシリーズのバランスを再構築しており、感動路線への安易な偏重は現場レベルで厳しく自制されてきました。
第2の誤解は、「3DCGやデジタル化によって手描きの味やアクションの躍動感が失われた」という批判です。『しん次元!』をはじめとする近年の制作現場では、手描きアニメーションの誇張表現(お化けコマや極端なパース)を忠実に3Dモデルへ落とし込む膨大な検証が行われており、CG技術はむしろこれまでの手描きでは実現できなかった空間規模のアクションを解放するための武器として機能しています。
第3の誤解は、「初期の映画は下品なギャグばかりで物語性が薄い」という先入観です。第2作『ブリブリ王国の秘宝』や第3作『雲黒斎の野望』を見返せば明白な通り、本郷みつる監督らが築いた初期映画は、驚異的な冒険活劇の構成力とスラップスティック・コメディの極致であり、脚本の骨格は極めて緻密に組み立てられています。