めまぐるしく流行が移り変わる現代の芸能界において、彼のように独自のポジションを保ち続けている表現者は極めて珍しい。モデル活動を経て俳優へと転身し、瞬く間にトップランナーへと駆け上がってから数十年。その存在感はいまなお衰えるどころか、成熟した深みを加えている。
50代半ばに達した現在の竹野内豊は、無理な若作りの雰囲気とは完全に無縁だ。歳月を受け入れ、それを己の魅力に昇華させるしなやかさ。この大人の余裕こそが、スクリーンに立ち現れた瞬間に観客を引きつけ、物語に圧倒的なリアリティを与える源泉となっている。