日常のふとした瞬間に「星になれたらいいな」と呟きたくなる心情の裏には、現状から抜け出して何者かになりたいという切実な願望と、大切な場所を離れる寂しさが同居しています。このフレーズの元ネタとして語り継がれるMr.Childrenの『星になれたら』において、桜井和寿氏が描いたのは、単なるセンチメンタリズムではありません。
一般的に日本語の「星になる」という表現は、時として他界や別離の暗喩として使われるケースがあります。しかし、本作における「星」が象徴しているのは、「暗闇の中でも自らの力で光を放ち、遠く離れた場所からでも大切な人を照らせる存在」です。不安を抱えながらも自らの足で歩き出す決意表明こそが、このフレーズに込められた真のメッセージと言えます。
若き日の桜井氏が抱いていた「まだ何者でもない自分」への焦燥感と、音楽で未来を切り拓くという確固たる意志。その生々しい感情の結晶が、この言葉となって聴き手の胸に真っ直ぐ突き刺さるのです。