日本の文房具市場に「キャラクター商品」という巨大な流れを作り出した立役者が、漫画の神様・手塚治虫が生み出した『鉄腕アトム』だ。それまで無地やシンプルな柄が主流だった文房具界に、空を飛ぶアトムのイラストがプリントされた筆箱が登場すると、子供たちの目の色がガラリと変わった。
アニメ放送の波に乗って爆発的な売り上げを記録したアトム筆箱は、文房具が「使うもの」から「所有して楽しむもの」へと意識改革を起こした象徴だった。手塚治虫の描く夢あふれる世界観が、子供たちの通学バッグの中に常にある時代がここから始まったのだ。