進学校を経て、難関である東京理科大学理学部数学科へと進学したムロツヨシ。将来の安定したレールが見えかけた矢先、観劇した舞台で役者たちが放つ圧倒的な熱量に衝撃を受ける。「自分もあちら側の人間になりたい」――その衝動は抑えきれず、入学からわずか3週間で大学中退という極端な決断を下した。
芸名「ムロツヨシ」をカタカナ表記にした背景にも、生き別れた実母への痛烈な配慮があった。本名で活動すれば、すでに別の家庭を築いているであろう母の生活に波風を立ててしまうかもしれない。母への恨み言を口にするのではなく、「どこかで元気にしていてくれればいい」という静かな祈りと優しさが、この名前に込められている。