ダルビッシュ有の食事術と現在地|肉体改造の果てに辿り着いた新境地

ダルビッシュ有の食事術と現在地|肉体改造の果てに辿り着いた新境地

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ダルビッシュ投手が食事法を劇的に変えた理由には、アスリートとしての強烈な成功体験と、その裏で直面した「肉体の限界」が密接に関わっています。

日本ハム時代からメジャー移籍初期にかけて、彼は球速アップと投球の破壊力を高めるため、徹底したバルクアップ増量食を実践しました。「プロテインを水代わりに飲む」と形容されるほどのタンパク質摂取を続け、体重は一時期105kg近くにまで到達。その結果、フォーシームの平均球速は飛躍的に向上し、メジャーの強打者を力でねじ伏せる圧倒的なパワーを獲得することに成功しました。

しかし、その代償は小さくありませんでした。2015年の右肘内側側副靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を経験した際、自身の身体と徹底的に向き合ったダルビッシュ投手は、ある重大な違和感に直面します。筋肉量は増えたものの、関節や腱にかかるストレスが増大し、何より「常に内臓が疲労で重く、身体のキレが鈍る」感覚に悩まされていたのです。手記やインタビューでも「筋肉を大きくすることだけが正解ではなかった」と当時を振り返っています。

内臓の疲労は睡眠の質を下げ、関節の炎症やリカバリーの遅延を招きます。この痛烈な気付きを境に、彼は「筋肉を増やす食事」から「腱・靭帯を守り、疲労を最速で抜く食事」へと舵を切りました。その過程で一時的に導入したのが、16時間の空腹時間を作るファスティング(間欠的断食)でした。胃腸を完全に休ませることでオートファジーを促し、内臓の負担をリセットするアプローチは、彼の体調管理に決定的な転機をもたらしました。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。