彼女のキャリアを語る上で欠かせないのが、一度目の現役引退と、その後に踏み出した7人制ラグビー(セブンズ)への挑戦だ。コンタクトスポーツであるラグビーでの経験は、彼女の身体にまったく異なる刺激と強さをもたらした。タックルに耐えうる体幹の強さ、不規則な動きに対応するアジリティ、そして何より「競技を純粋に楽しむ」というマインドセットの再構築だ。
陸上トラックへ戻ってきたとき、彼女の走りは以前のそれとは明らかに異なっていた。ハードルに対する恐怖感が消え、身体の軸がぶれないタフな走りが完成していたのだ。他競技を経由したからこそ得られた独自の体感と視点は、現在の彼女の走りを支える強固な土台となっている。