ファンの間で「まるで映画のワンシーン」「海外の遺跡ではないか」と噂されることも多い二階堂のCMですが、その撮影場所の大部分は日本国内、とりわけ九州地方の豊かな歴史と風土に根ざしています。画面越しに漂う独特の空気感は、計算し尽くされた光の捉え方と、風化しながらも力強く佇む建造物の質感から生まれています。
歴代の名作シリーズで登場した代表的なロケ地を整理すると、制作陣が選び抜いた土地の共通項が見えてきます。
【二階堂CM 主な歴代ロケ地と作品アーカイブ】
・「消えた足跡」篇(1998年):大分県玖珠町「旧豊後森機関庫」、長崎県平戸市周辺
・「風の通り道」篇(2001年):福岡県志免町「旧志免鉱業所竪坑櫓」、長崎県南島原市
・「空に訊く」篇(2006年):長崎県平戸市「生月島の断崖・大バエ灯台」、熊本県美里町「霊台橋」
・「砂の記憶」篇(2008年):山口県美祢市「秋吉台」、鳥取県「鳥取砂丘」
・「静寂の理由」篇(2015年):長崎県波佐見町「旧波佐見町立中央小学校講堂」、大分県杵築市「酢屋の坂」
・「歩いた道」篇(2019年):大分県竹田市「明正井路(石造アーチ水路橋)」、福岡県北九州市門司区
砂漠のように見える荒涼とした風景や、神殿を思わせる巨大なコンクリート建造物は、CGに頼ることなくすべて実在するロケーションでカメラを回しています。日本の産業発展を支え、やがて役目を終えて静まり返った産業遺産や、古くから人々の営みを支えてきた石橋の数々が、あの独特の陰影を醸し出しているのです。