元美術教師という異色の経歴を持つ彼の視点は、メディアを通しても広く発信された。NHKの特別ド番組やインタビューで垣間見せたアトリエの風景には、膨大な古書や文具、そして試作段階の立体模型が整然と並んでいた。創作の源泉は徹底した観察と試走の繰り返しにあったのだ。
文庫本の装丁画や新聞の連載挿絵など、膨大なプロダクトを手掛けた仕事量も圧巻である。どんなに多忙を極めても「描く楽しさ」を失わず、知的なユーモアを忘れなかった姿勢。関係者が口を揃えて語る温かな人柄と、作品で見せる鋭いロジックのギャップが魅力をより一層引き立てている。