ベスが非業の死を遂げたのは、シーズン5第8話「解除(原題:Coda)」です。物語の中盤、アトランタの「グラディ記念病院」に隔離されていた彼女は、警察組織の生き残りを束ねる女性リーダー、ドーン・ラーナーの歪んだ支配体制に立ち向かっていました。いわゆる「病院編」を通じて、ベスは保護されるだけの無力な少女から、狡猾な大人たちを手玉に取る知性と胆力を身につけた自立した戦士へと変貌を遂げていたのです。
リックたちが病院側の警官とベス、そして同じく捕らわれていたノアを人質交換する交渉は、一見スムーズに成立したかに見えました。しかし、取引が完了した瞬間、ドーンが「ノアは残れ」と理不尽な追加条件を突きつけたことで事態は暗転します。身代わりになろうとするノアを見たベスは、ドーンの前に歩み寄り、「今ならわかる(I get it now)」と言い放ち、袖の中に隠し持っていた小さな医療用ハサミでドーンの肩を刺しました。
その瞬間、刺された痛みに驚いたドーンが手にしていた拳銃を反射的に発砲。銃弾はベスの頭部を至近距離から貫通し、彼女はその場で命を落としました。ドーン自身も意図せぬ暴発に近い反応であり、直後に「撃つ気はなかった」と狼狽しますが、怒り狂ったダリルによって眉間を即座に撃ち抜かれます。この一瞬の悲劇により、救出劇は一転して最悪の結末へと塗り替えられました。