古生物ファンの間で長年信じられてきた「全長8〜10メートル」という巨大魚のイメージは、査読付き学術誌『Diversity』等に掲載されたケース・ウェスタン・リザーブ大学のラッセル・エンゲルマン氏らによる一連のダンクルオステウス最新研究によって劇的な修正を受けました。
これまで推定されていた巨大な体長は、硬骨魚類や現生のサメの体骨格比率を単純に当てはめて計算されていました。ところが、頭部以外の胴体部分が軟骨主体で残りにくいダンクルオステウスの化石に対し、現生魚類数百種の頭骨・体長比率や胸鰭の配置などを多変量解析で再検証したところ、最も大型の個体(Dunkleosteus terrelli)でも体長はおよそ3.4〜4.1メートル程度であった可能性が極めて高いと結論づけられたのです。
これがダンクルオステウスの体長が短くなった理由の核心です。長さこそ半減したものの、胴体は驚くほど分厚く、まるでピラニアやマグロのように筋肉が極限まで詰まった「重装甲の魚雷」のようなプロポーションだったことが判明しました。ダンクルオステウスの大きさの最新知見は、単なる縮小ではなく、捕食者としての密度と遊泳性能を再評価する大きな契機となっています。