「先週も丸3日間のオフがあったよ。昔なら考えられないペースだ」。アトランタの撮影スタジオで働くあるベテラン技術スタッフは、少し呆れたような、それでいて安堵したような表情でそう明かした。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の現場で目立つ休日の多さ。その第一の理由は、もはやテレビドラマの枠を超えた巨大なスケール感にある。
映画並みのクオリティを要求される1話あたりの制作費と、数千カットに及ぶVFX(視覚効果)作業。撮影を急いでも、後の編集や特撮チームの作業が追いつかなければ意味がない。そのため、撮影チームがあえて撮影を行わない「意図的な空白期間」を設定し、その間にポスプロ(後処理)工程や脚本の微調整を並行させる高度な工程管理が敷かれているのだ。休みが多いように見えて、裏では完璧な計算に基づいた歯車が休みなく回り続けている。