世界的なパンデミックの渦中、世界中の視線が注がれた国際舞台でも、彼の演出思想は揺るがなかった。東京2020パラリンピック閉会式の大型プロジェクトにおいて、彼は空間演出の要を務め上げた。
多様なバックグラウンドを持つ出演者たちが一堂に会したそのステージは、単なるセレモニーの枠を超え、「違いを面白がる」という新しい価値観を強烈に提示した。色とりどりの個性が混ざり合い、調和していく祝祭の空間。障害の有無や国籍、年齢を超えて人々の心がひとつに共鳴する光景は、観客の心に深い爪痕を残した。単に見せるショーではなく、参加するすべての人間が主体となる祝祭空間の構築。これこそが、彼の真骨頂である。