ルーデウスにとって、ロキシーは文字通り「神」だった。幼少期、トラウマで家の外に出られなかったルーデウスの腕を引き、青空の下へと連れ出したのは彼女である。自室の神棚に彼女の聖遺物を祀る描写はコミカルでありつつも、ルーデウスの心の奥底にある絶対的な敬愛を象徴していた。
物語が進むにつれ、その関係性は師弟から「一人の男と女」へとドラマチックに変化していく。転移事件を経てシーローン王国でのすれ違い、そしてベガリット大陸の迷宮攻略における劇的な救援。絶望の淵に立たされたルーデウスを包み込んだロキシーの決断が、二人の運命を決定づけた。崇拝対象から愛する妻、そして母へ。互いを深く尊重し合う対等なパートナーシップは、ファンタジー文学における最高峰の愛の姿だ。