物語の軸となるのは、主人公の吉岡双葉と、中学時代の初恋相手である馬渕洸(旧姓:田中)を中心とした多角関係だ。一見するとシンプルな「再会ラブストーリー」に見えるが、二人の間には一筋縄ではいかない感情の壁が存在する。
二人の関係をさらに揺るがすのが、洸に寄り添う成海唯と、双葉に真っ直ぐな想いを寄せる菊池冬馬の存在だ。双葉から洸への想いは常に消えないものの、洸の頑なな態度に傷つき、一時は冬馬の包容力に心を寄せる。一方で洸もまた、過去のトラウマと成海への義務感に縛られ、双葉への本心を隠し続ける。恋の矢印が複雑に交差するその全貌は、まさに青春の痛みを凝縮したドラマそのものと言えるだろう。
さらに、周りを取り巻く友人たちの関係性も見逃せない。洸の兄である田中陽一先生に密かな想いを寄せる村尾修子と、そんな修子を愚直に思い続ける小湊亜耶。そして、双葉の親友でありながら一時は洸を好きになる槙田悠里。それぞれが自分の恋愛感情と向き合いながら、友情との間で葛藤する姿が立体的に描かれている。