タンポポの楽曲群を語る上で外せないのが、つんく♂による卓越したセルフプロデュース力だ。デビュー曲『ラストキッス』で見せたアコースティックギターの音色とセンチメンタルなメロディは、深夜のテレビ東京の放送を通じて若者たちの情操に深く浸透した。サビの切ないハモりや、思春期の揺れ動く心理をすくい取った歌詞表現は、2000年代前後のJ-POPにおける隠れた傑作として語り継がれている。
一方で、シングル『乙女 パスタに感動』では一転して軽快でキュートなポップスを展開。日常の何気ない風景や恋心の高鳴りをキャッチーに描写し、幅広い層の支持を獲得した。バラードからアッパーチューンまで、どの楽曲にも通底するのは圧倒的なメロディの美しさだ。サブスクリプションサービスの台頭により、これらの音源は今、世界中の音楽フリークによって「隠れた名盤」として再発見されている。