福山市民球場として親しまれている竹ヶ端運動公園野球場は、地区予選の時期になると特別な熱気に包まれる。スタンドを埋め尽くすのは、在校生や保護者だけではない。地元の商店街の人々や、かつて白球を追ったOBたちがスタンドに駆けつけ、メガホンを手に声を張り上げる。
「福山から再び甲子園へ」という想いは、地域住民共通の願いだ。少子化の影響で部員数の確保に苦心する学校もある中、地元の少年野球チームとの交流や、市民ボランティアによる環境整備など、地域全体で球児たちを支えるエコシステムが機能している。球場に漂う潮風と熱気、そしてブラスバンドの音色が重なり合う光景は、福山の夏の風物詩そのものだ。