卵は加熱するとたんぱく質が固化する性質を持つ。そのため、作ってから食べるまでに時間がかかるお弁当では、どうしても薄焼き卵が固くなりがちだった。しかし、最新のレシピ科学はこの問題を軽々とクリアしてみせた。
鍵を握るのは「油脂と水分の乳化技術」だ。卵液にほんの少量のマヨネーズや生クリーム、あるいは炭酸水を加えることで、加熱時におけるたんぱく質の過度な結合を防止。これにより、冷めた状態でも口の中でしっとりとほどける独特の食感が維持される。実際に都内の大手弁当チェーンの開発担当者に話を聞くと、「温度変化による食感の劣化を科学的に分析し、冷えたときに最も心地よい歯ごたえになるよう卵液の配合比率をミリグラム単位で調整している」という。