本作における死神たちの対比構造は、物語に深い哲学的な深みをもたらしている。リュークは退屈しのぎのために人間にノートを与え、あくまで面白がりながら人間の没落を観察する第三者に過ぎない。それに対し、レムは人間の儚さに寄り添い、自らの生存本能すら捨て去る道を選んだ。
死神でありながら人間以上に情に厚く、死神でありながら人間の狡猾さに嵌められていく哀愁。夜神月の冷徹な打算を見抜きながらも、弥海砂への愛のためにその罠に自ら飛び込んでいくレムの姿は、冷徹な死神の世界における唯一の「光」として機能していたと言えるだろう。