親知らず抜歯で顔は小さくなる?エラ張り解消の真偽と歯科医の結論

親知らず抜歯で顔は小さくなる?エラ張り解消の真偽と歯科医の結論

親知らず抜歯で顔は小さくなる?エラ張り解消の真偽と歯科医の結論についての疑問解決ガイドをご紹介します。

顔の輪郭、特に「エラ」と呼ばれる下顔面の横幅を決定づけている要素は、大きく分けて下顎骨の形態と、その外側を覆う咬筋(こうきん)の厚みの2点です。親知らずの抜歯がフェイスラインに与える影響を正しく把握するためには、この両者に対してどのような物理的・生理的変化が起こるのかを分解して理解する必要があります。

まず骨格に関して言えば、親知らずが植立しているのは下顎骨の奥深くにある歯槽突起と呼ばれる部位です。歯を抜くと、その穴(抜歯窩)が治癒する過程で周囲の歯槽骨がわずかに吸収されて平坦化しますが、これは顎の輪郭を形作る「下顎角(エラの骨)」そのものとは位置が異なります。そのため、骨格レベルで顔の幅が狭くなることは構造上あり得ません。ただし、親知らずが外側(頬側)に傾いて生えていた場合、歯槽骨の張り出しが収まることで、頬骨から下顎にかけてのラインがわずかにスッキリして見えるケースは存在します。

より現実的な輪郭変化の主因となるのが、咀嚼筋の代表格である咬筋への負荷減少です。奥歯は食事の際、数十キロから人によっては100キロを超える強い咬合力を受け止めています。親知らずが上下できちんと噛み合っていたり、就寝時の食いしばり・歯ぎしりの支点になっていたりした場合、その親知らずを喪失することで「噛む力」の分散バランスが変化します。使われなくなった筋肉が徐々に細くなる「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」が咬筋の後方部分で起こり、ボトックス注射を打った際と似たような筋肉のボリュームダウンが生じるのです。

森 瞳
著者

森 瞳

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