「バチカン市国は東京ディズニーランドよりも狭い」という話は、地理の雑学として耳にすることが多いトピックです。実際の数値を比較すると、その事実がより鮮明に浮き彫りになります。
東京ディズニーランドの単体敷地面積は約0.51平方キロメートル(約51ヘクタール)です。隣接する東京ディズニーシー(約0.49平方キロメートル)を含まない単体パークの敷地と比べても、バチカン市国の面積約0.44平方キロメートル(約44ヘクタール)のほうが一回り狭い計算になります。パーク内を1日歩き回る感覚よりも狭いエリアの中に、大聖堂、宮殿、美術館、広場、鉄道駅、さらにはラジオ局までが凝縮して配置されています。
さらに異彩を放つのが人口密度と居住者の実態です。バチカン市国の人口は約800人前後で推移していますが、実際に城壁の内側に常住している実数は約450〜500人に過ぎません。残りの登録者は、世界各国に駐在する教皇大使(外交官)など国外で公務にあたる聖職者たちです。
東京都心の高層マンション1棟に数千人が暮らす過密都市の住環境と比較すると、大聖堂の静寂と手入れの行き届いた庭園が広がるこの国は、信じがたいほど特異な空間構造を有しています。