伊香保温泉の代名詞である石段街。この街並みが形成された経緯には、日本の歴史を揺るがした戦乱が深く関わっています。天正4年(1576年)、武田勝頼が長篠の戦いで傷ついた兵士を療養させるため、配下の真田昌幸らに命じて整備させたのが始まりと伝えられています。傾斜地に石段を築き、その中央に湯樋(ゆどい)を通して各旅館へと温泉を均等に分湯する仕組みは、日本における「計画的温泉都市」の先駆けと評されます。
現在見られる365段の石段には、「1年365日、温泉街が賑わい繁栄するように」という願いが込められています。散策をより楽しむために押さえておきたい主要スポットは以下の通りです。
- 伊香保関所(復元):石段街の下部に位置し、江戸時代に関東防衛の要所として置かれた関所を忠実に再現。歴史の深さを実感できます。
- 小間口(こまぐち)の観覧窓:石段の中央を流れる黄金の湯をガラス越しに覗けるスポット。木製の湯樋を滔々と流れる温泉の迫力を間近に観察できます。
- 伊香保神社:石段を登りきった365段目に鎮座する古社。医療の神である大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)を祀り、縁結び・子宝・健康祈願のご利益で広く信仰を集めています。登頂の達成感とともに参拝する旅行者の姿が絶えません。
- 伊香保ロープウェイ(見晴駅):石段街から少し東へ進んだ「不如帰(ほととぎす)駅」から標高955メートルの「見晴駅」まで約4分で結ぶロープウェイ。山頂の「上ノ山公園」展望台からは、赤城山や谷川連峰を一望する大パノラマが広がります。