芸能史を振り返れば、昭和から平成にかけて「ものまね」は往々にして本家アーティストのパロディ、あるいはバラエティの飛び道具として扱われてきました。一度ものまねタレントのイメージが定着してしまうと、そこから本格的なシンガーソングライターとして脱却することは至難の業とされてきた歴史があります。
しかし、松浦航大が実践しているアプローチは、旧来のタレント像とは一線を画しています。彼はものまねを「本家への敬意に基づいた究極のボーカルコピー」として提示し、圧倒的な技術的裏付けによって自身の歌唱力そのものを世間に認知させるマーケティングフックとして活用しました。その上で、獲得した巨大なファンベースに対して自身のオリジナル楽曲を提示するという、「技術と個性の二刀流ハイブリッドモデル」を成立させたのです。
松浦航大のライブ・コンテンツをおすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
彼の活動やライブに触れるにあたり、どのようなリスナーに適しているのか、その基準を明確にしておきます。
- 強くおすすめできる人:
- 卓越したピッチコントロールや発声技術そのものを楽しみたいボーカル技術愛好家
- 1回のライブでJ-POPの名曲カバーから本格的なオリジナルソングまで贅沢に堪能したい人
- 本家アーティストへのリスペクトを大切にした誠実なステージを好む人
- やや慎重になるべき人:
- 泥臭いロックンロールや、荒削りな衝動性・粗暴さを音楽に最も求めている人(彼の音楽は計算され尽くした極めてクリーンな職人芸であるため)
- 「ものまね芸人」としての強烈なギャグや過激な毒舌・お笑い要素を期待している人