SHEINの安全性問題が国際的な注目を集める最大の転換点となったのは、2024年以降に韓国ソウル市および韓国関税庁が定期的に実施・公表した越境ECプラットフォーム製品の安全性検査結果です。ソウル市が毎週のように抜き取り検査の結果を公表する中で、SHEIN、Temu、AliExpressなどの格安海外通販商品から、韓国内の安全基準を大幅に超過する化学物質が相次いで特定されました。
公表されたデータによると、特に問題視されたのは以下の3つの主要有害物質です。
- フタル酸エステル系可塑剤(DEHP、DBPなど):プラスチックや合成皮革を柔らかくするために使用される化学物質。一部の子供用靴やバッグ、水着などから韓国の基準値の数百倍に達する濃度で検出。内分泌攪乱物質(環境ホルモン)であり、生殖機能への悪影響や肝臓・腎臓への障害、長期的な発がん性リスクが指摘されています。
- 重金属(鉛・カドミウム・ニッケル):激安アクセサリー(ネックレス、指輪、ヘアピン等)から検出。鉛は神経発達障害や貧血、カドミウムは腎機能障害や骨軟化症(イタイイタイ病の原因物質)、国際がん研究機関(IARC)でもグループ1(ヒトに対して発がん性がある)に分類される危険物質です。
- 特定芳香族アミン(アリールアミン):繊維の染色に使用されるアゾ染料から生成される物質。一部の衣類や下着から検出され、皮膚から吸収されることで膀胱がんなどのリスクを高めるとして、日本を含む主要国で厳格に使用が規制されています。
この報道をきっかけに、「安さの裏に潜むサプライチェーン管理の甘さ」が浮き彫りとなり、日本国内でも厚生労働省や消費者庁の動向に注目が集まる事態となりました。