ネットの掲示板やSNSでは時折、「グッドモーニングカフェは見かけなくなった」「ブームが去って衰退した」という声が散見されます。しかし、飲食業界の財務データや店舗展開の実態を検証すると、全く異なる構図が浮かび上がってきます。
バルニバービを率いる佐藤裕久氏は、創業時から「バッドロケーション戦略」を一貫して提唱してきました。一等地の駅前商業施設に高額な家賃を払って出店するのではなく、運河沿いや公園の前など、人通りは少なくても空と緑が広がる開放的な場所を選び、そこに人が集まるカルチャーそのものを創り出す手法です。
2010年代前半の「朝活ブーム」期には、メディアの脚光を浴びて都心部のビルイン店舗を一時的に増やした時期もありました。しかしその後、グループ全体として原点回帰を進め、中野四季の森公園前の中野セントラルパークや、品川の広大な芝生公園に面した品川シーズンテラスのように、「自然と風を感じられる環境」に店舗を集約させたのです。
つまり、街中の雑居ビルや地下鉄直結のフロアで見かけなくなっただけであり、ブランド本来の持ち味を最大限に発揮できる場所へと拠点をシフトさせたというのが真相です。