検索エンジンに大学名を入力すると、サジェストに浮上する「やばい」という不穏な単語。結論から申し上げれば、不祥事や教育環境の破綻を指すものではありません。在学生や卒業生のヒアリングを進めると、この言葉が使われる背景には「課題の過酷さ」と「偏差値に対する誤解」という2つの構造的要因が存在します。
服飾・造形系の学部では、ショーや展示会、学期末の審査会(講評会)に向けて、膨大な時間と労力を費やします。「連日のミシン作業で徹夜が続く」「デザイン画や型紙の修正が無限に終わらない」といった現場の悲鳴がSNS上に投稿され、それが外部から「過酷すぎてやばい」と受け止められているのが実情です。これはデザイン・美大系特有の通過儀礼とも呼べる現象であり、自らの手で作品を具現化する熱量の裏返しでもあります。
もう一つの要因は、いわゆる「Fラン大学ではないか」という無理解な偏見です。実技や表現力を問うクリエイティブ系大学は、ペーパーテスト中心の一般入試よりも総合型選抜や推薦入試の比率が高く、模試の偏差値が見かけ上控えめに出る傾向があります。この数値のみを切り取ったネット上の短絡的な言説が、事実無根の噂を増幅させています。