一般社団法人ペットフード協会が公表している「全国犬猫飼育実態調査」の最新傾向および動物病院関係者へのヒアリングを統合すると、完全室内飼育における猫の平均寿命は約15.6歳から16歳超へと延伸しています。これに伴い、猫の生涯飼育費用は総額で約280万〜330万円というデータが算出されています。
この数字を目にして「せいぜい100万円台だと思っていた」「予想以上の出費に愕然とした」という声が飼育者の間で相次ぐ背景には、明確な構造的要因が存在します。ネット上の簡易的な試算サイトでは、毎月のドライフード代とトイレ砂の代金だけを機械的に掛け合わせた「平時の最低コスト」しか提示されていないケースが目立つためです。
現実には、2024年から続く世界的なペットフード原料の高騰やパッケージ輸送コストの転嫁により、プレミアムフードを中心に販売価格が大幅に引き上げられました。さらに猛暑の長期化によって夏季は24時間のエアコン稼働が必須となり、電気代の上乗せも無視できません。何より、猫の長寿化は「シニア期(10歳以降)に抱える慢性疾患の長期治療」を意味しており、寿命が延びた分だけ後半生における医療費負担が加速度的に膨らむ仕組みになっています。