毎朝まだ暗い時間帯から、中央卸売市場のセリ場では威勢の良い声が飛び交う。市場食堂 城南店が仕入れる魚介は、まさにその熱気が冷めやらぬうちに厨房へと運び込まれる。水産業を取り巻く世界的な需給変動や価格高騰の波が外食産業を直撃する中、なぜこれほどの品質とコストパフォーマンスを維持できるのか。その理由は、市場の構造と強固なネットワークにある。
長年この土地で魚を見続けてきた仲卸業者とのパイプは太い。水産地方卸売市場管理組合とも密に連携し、その日一番の状態の良い魚を優先的に確保するルートを構築している。料理長は「セリで落とされた直後の活魚を、いかに素早く丁寧に処理するかが勝負」と語る。流通マージンを極限まで削ぎ落とし、獲れたての味をそのまま客席へと届ける仕組みこそが、他店の追随を許さない最大の理由だ。