舞良戸の正しい読み方は「まいらど」です。周囲を囲む框(かまち)の内側に薄い板(鏡板)を張り、その表面に「舞良子(まいらこ)」と呼ばれる細い桟木(さんぎ)を密に、かつ等間隔に取り付けた建具を指します。
この舞良戸の構造には、先人たちの優れた知恵が凝縮されています。無垢の幅広板は、湿度や気温の変化によってどうしても「反り」や「狂い」が生じやすい性質を持っています。鏡板の表面に直交する形で舞良子を打ち付けることで、木材本来の反りを物理的に抑え込み、建具としての強度と寸法安定性を劇的に向上させているのです。
さらに、舞良子の厚みとピッチ(間隔)が生み出す陰影のグラデーションは、光の角度によって刻一刻と表情を変えます。実用的な補強部材でありながら、そのまま洗練された装飾デザインへと昇華されている点が、舞良戸が持つ構造美の真骨頂です。