物語の舞台は、時価総額3000億円とも謳われる急成長IT企業「NEXT INNOVATION(ネクスト・イノベーション)」。天才的なプログラミング技術と直感力を持つ若き代表取締役社長・日向徹(小栗旬)は、他人の顔や名前を覚えることが極端に苦手な「相貌失認(失貌症)」の気質を持ち、人付き合いを嫌う孤高のカリスマとして君臨していました。
そんな彼の前に現れたのが、東京大学理学部という超高学歴でありながら、内定ゼロで就職活動に苦戦していた女子大生・夏井真琴(石原さとみ)です。会社の会社説明会で日向から横柄に罵倒された彼女は、日向が生き別れの母を探している事実を事前に知っていたことから、咄嗟に「澤木千尋(さわきちひろ)」という実母の偽名を名乗ります。この嘘をきっかけに、日向は彼女を戸籍管理システム「パーソナルファイル」の官民実証実験プロジェクトのアシスタントとして雇い入れます。
真琴の並外れた記憶力とひたむきな努力によって、気難しかった総務省の藤川事務次官(鷲尾真知子)の信頼を勝ち取るなど、プロジェクトは大きく前進。衝突を繰り返しながらも、日向の不器用な優しさに触れた真琴は彼に強く惹かれ、日向もまた自分を取り繕わずにぶつかってくる真琴に対して心を開いていきます。
しかし、日向が真琴の「澤木千尋という名前は偽名である」という嘘を知ったことで状況は一変。裏切られたと感じた日向は真琴を突き放しますが、彼女がかつて本物の母(八千草薫)と出会っていた偶然を知り、二人は再び絆を取り戻します。真琴は本名の「夏井真琴」として会社と正式契約を結び、日向の側で働くことを選びました。
平和も束の間、最大の悲劇が訪れます。日向の最大の理解者であり共同創業者だった副社長・朝比奈恒介(井浦新)が、日向の圧倒的な才能への嫉妬と劣等感から謀反を画策。新進気鋭のプログラマー・遠野(綾野剛)と結託し、500万人分の個人情報流出事件を引き起こします。ネクスト・イノベーションの株価は暴落し、日向は自ら創業した会社を解任・追放されるという絶望の淵に突き落とされました。
すべてを失った日向にただ一人寄り添い続けたのが真琴でした。二人は雑居ビルの一室で新会社「Wonder Wall(ワンダー・ウォール)」を立ち上げ、ゼロからのリスタートを切ります。真琴の支えによって人間的成長を遂げた日向は、魂を込めたパーソナルファイルを完成させ、見事に再起への足がかりを掴み取ります。